ヘロ星人の恍惚実験 1-1

ヘロ星人の恍惚実験

第1章 未知との遭遇①

クラスの仲良し3人組で真理奈のウチで遊んでいました。真理奈は3人の中のリーダー格で、頭もよく、頼り甲斐のある友達です。この中でわたしが一番ダメなほうかな。勉強もできないし、運動も苦手で、これといって何の取り柄もないし。でも、翔子も同じようなもんかなぁ。彼女も頭悪いほうだし……。あっ、こんなこと言っちゃダメですよね。
時計を見たら夜の9時を過ぎていました。ママには真理奈のウチで勉強してくると言ってあるので心配はしてないと思うけど、そろそろ帰らなきゃいけない時間です。
そんなときでした。窓の外で急に明るい光が瞬いて。わたし、クルマのヘッドライトかと思ったんですけど、どうも光は上から射しているようなんです。わたしたち、変ね、なんて話をしながら窓を開けてみたら、なんとそこには……。
「これって、もしかして、UFO?」
翔子が無表情でそう言います。真理奈もそうかもね、なんてのんきなことを言っています。となりの八百屋のトタン屋根の上にぽっかりと浮かんでいたので、なんか緊迫感がないんですよね。わたしも、そうなのかなぁ、なんて。
直径は2mぐらいでしょうか。足のないクラゲみたいな格好で、白く半透明な色なので、ますますクラゲに似ています。
「わたしたちが狙いかしら」
「どうして?」
「わかんないけど」
「食べようとしているのかも知れないよ」
「わたしたちを? 変なこと言わないでよ、ひかり」
そんなことを言っていると、クラゲから足が一本、こちらに、にゅーっと伸びてきて、
「きゃっ!」
「きゃっ!」
「わぁ!」